いつかの下書き②

誰かになりたかった。

私になりたかった。私小説を書けるくらい私になりたかった。

誰かは思春期によくあることだと言っていたけれど、私はそんな言葉で片付けられたくなかった。

学校の男性の先生は全員かっこよく見えたし、同級生の男子は皆幼く見えた。同級生の間で恋バナが流行って、修学旅行での深い女子トークに吐き気を催す。私は誰にも理解されなかった。

人を好きになること自体は何かわからない。誰かが結婚したい