2023-05-03 いつかの下書き② 誰かになりたかった。 私になりたかった。私小説を書けるくらい私になりたかった。 誰かは思春期によくあることだと言っていたけれど、私はそんな言葉で片付けられたくなかった。 学校の男性の先生は全員かっこよく見えたし、同級生の男子は皆幼く見えた。同級生の間で恋バナが流行って、修学旅行での深い女子トークに吐き気を催す。私は誰にも理解されなかった。 人を好きになること自体は何かわからない。誰かが結婚したい